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武田薬品OB有志らの「Active-T」が設立記念総会 MRのキャリアチェンジでパネルディスカッション

公開日時 2021/10/04 04:53
武田薬品のOB有志らによるビジネスコミュニティ「Active-T(アクティブ・ティ)」の設立記念総会が10月2日、都内で開かれた。総会ではMR経験者によるパネルディスカッションが行われ、キャリアチェンジへの想いやMRの労働流動性などに議論が及んだ。参加者は一様に、タケダ時代のMR経験が現在のキャリアに活かされていると発言。立場が変わってもタケダOB・現役との接点やネットワークへの安心感、期待感を口にする場面が見られた。MRの労働流動性については、「製品ごと、プロジェクトごとに会社を移ることがあってもいい」と容認論も。「そのためにMRは自身のスキルを磨き、専門性を高めること。一方で経営者は、それでも武田薬品で働きたいと思わせるマネジメントが求められる」との意見があった。

◎コミュニケーション、プレゼン、人間関係構築-の3つのスキルが求められる

パネルディスカッションでは、タケダMR時代の経験が自身のキャリアチェンジにどう活かされたかで発言があった。徳永章氏(MR歴13年、現・スリーエムジャパン政務渉外本部本部長)は、タケダ在籍中に担当したマーケティング部や医療政策アクセス統括部での経験について、「その時はずっとこの世界で仕事をすると考えていた。面白い仕事だった」と振り返った。一方で自身のキャリアチェンジについては、「一歩踏み出すためにすごく悩んだ」と述べながらも、「あえて(慣れた医薬品産業とは)違う業界を選んだ。それこそチャレンジしたいという想いからだ」と強調。「いま振り返ると、本当によかったと思う」と述べた。また、キャリアチェンジで求められるスキルについて徳永氏は、①コミュニケーションスキル、②プレゼンテーションスキル、③人間関係構築のスキル-が重要と強調した。

◎MR時代や秘書時代のバックグラウンドがあったらからこそできることが多い

原良子氏(MR歴8年、現・製薬会社経営企画部)は、現在の業務に照らしながら、「いまは他部署との事前のネゴシエーションなどが多く、それもMR時代や秘書時代のバックグラウンドがあったらからこそできることが多いと感じている」と語ってくれた。続けて「女性だからこそ、何かをあきらめるということはない」と述べながら、「いまMRとして活躍したい、キャリアを継続したいという方は、自分がやりたい事、やりがいとは何かをもう一度考えていくことを自身の活躍の一つに入れて欲しいと思う」と現役MRへのメッセージを送った。

◎キャリアチェンジのキッカケは「社内公募に応募したこと」

染川武之氏(MR歴22年、現・NPO法人発達はじめの一歩理事長)は、「私は武田薬品が大好きで、ずっと武田薬品の仕事を全うすると思っていた」と述べた。その上でキャリアチェンジのキッカケに触れ、「MR時代に社内公募に応募したことに始まる。社内の手上げ制度で医療政策アクセス統括部に入ったことが大きく影響したと思う」と振り返った。染川氏は、医療政策アクセス統括部時代に多くの地域医療の事例に触れたことを紹介する中で、「課題を抱えている人と沢山話した。多くの成功事例、先進的な事例の話を聞いた。いつか私も早期退職してNPO法人として地域貢献したいと考えるようになった」と明かしてくれた。その後、NPO法人を自ら立ち上げた染川氏。「MRをやっていなかったらキャリアチェンジにもならなかったと思っている。見ること、経験すること、全てを自分からどんどん取り入れていくことが大切だ」と熱く語ってくれた。

◎3つの成功法則「MRの仕事で成果を得る」、「行動する」、「自己投資」

魚住裕典氏(MR歴14年、現・TH企画代表取締役)は、キャリアチェンジを成功させる法則を語ってくれた。魚住氏が語る成功法則は3つある。一つ目は「いまのMRの仕事で必ず成果を得ること。トラックレコードを今のフィールドで出すことが大切だ」と強調した。2つめは、「行動すること」と魚住氏は指摘する。「社内にはジョブポスティングなどが必ずある。そこにトライすることが重要だ」と語った。そして3つ目は、「自己投資」と断言した。自己投資先は、語学やビジネススクールなど様々としながらも、「これを実行すると自分の力量もあがってくる」と強調した。現在、魚住氏は従業員13人の中小企業経営者として奮闘している。魚住氏は、「いま人材集めに苦労している」と吐露しながらも、「MRを3年、5年やった経験者は喉から手が出るくらい欲しい人材だ。もしキャリアを考えるのであれば行動することが近道。そのままでも十分通用する。まずは行動して欲しい」と呼びかけた。

◎医療に貢献したいと思うのであれば「一つの企業にこだわる必要はない」


オンライン参加者を交えたディスカッションでは、MRの労働流動性に議論が及んだ。魚住氏は、「一言でいうと、MRが製品ごと、プロジェクトごとに会社を変わってもいいのではないか。自分が医療に貢献したいと思うのであれば、一つの企業にこだわる必要はないかなと思う」と強調した。一方で「私自身は武田薬品への愛社精神はものすごく高かった」と述べながら、「社員はキャリアチェンジできるくらいにスキルを高めて、専門性を高める。一方で経営者は、それでも、武田薬品で働きたいと思わせるようなマネジメントをするというとこが求められる」と述べた。

◎外からみた武田薬品 人材の豊富さ、ネットワークの広さ・深さ、安心感など

キャリアチェンジに伴う自身の変化について染川氏は、「(タケダ在籍時は)すべて守られていた。そこを飛び出すと、いかに自分が無知だったかとかを感じた」と率直な心境を吐露した。武田薬品の良いところについて染川氏は、「いまもそうだが同僚や先輩など皆が応援してくれる。素晴らしい仲間がタケダにはいるということだ」と断言した。

原氏は、「一言でいうと人財の豊富さ、レベルの高さだと思う」と述べながら、「コミュニケーションの質の高さや、バックグラウンドの違いを感じることがある」と指摘。タケダ時代の先輩や同期、同僚とのネットワークの存在が「安心感になる」と述べた。

徳永氏は、「日々チャレンジだった。その意味でいろいろなことを経験させてもらった。しかし、いまは、いかに自分が狭い世界の中で生きていたかを実感した」と明かしてくれた。その上で、「タケダが良かった点は、社員の愛社精神が高かったこと」と断言した。

魚住氏は、タケダ時代は「大企業の福利厚生や給与、研修などサポートがあった。それが当たり前だと思っていた」と述べ、いまは中小企業経営者となり「その違いを感じている」と強調した。一方、武田薬品に在籍して良かったことについては、「歴史があり、タケダ出身というだけで、愛着や信頼がある。社員以外のOBも含めたカルチャーとしての強みがある。働いて良かったと思う。これからも大事にしていきたい」と語ってくれた。

 
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